ホーネット900(CB900F)の系譜

ホーネット900の系譜 知恵袋
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ホーネット900(CB900F)の系譜

ホーネット900はホンダのロードスポーツ・ネイキッドとして長年、その地位を確かなものにしてきました。
当時の環境を含めて、その系譜を辿るとさまざまなことが見えてきます。
ここでは、ホーネット900の系譜を追いながら、当時どういった状況で開発されたのかを紹介します。
 
ホーネット900(CB900F)の系譜図

CBR900RRから譲り受けたホーネット900の強心臓

ハイパフォーマンス4気筒919ccエンジンを搭載するホーネット900の出自は92年に登場したCBR900RR Firebladeまでさかのぼります。
このファイアーブレードは発売当初よりエポックメイキングなモデルとして非常に大きな注目を集めていました。400ccクラスの車体に893cc大排気量高出力エンジンを搭載したピュア・ロードスポーツとして、このCBR900RRは初めてスーパースポーツと呼ばれるジャンルを造り上げました。
このとてつもないインパクトを持ったバイクは、当時の二輪ジャーナリストに「GP500マシンに最も近い公道車両だ」と言わしめたほどです。
GP500マシンに最も近いと言われたファイアーブレードの4代目にあたる919ccのハイパフォーマンスエンジンが、より公道向けのチューニングが施され、このホーネット900の心臓部に搭載されています。当時のXJRやCB1300SFといった重量級ビッグネイキッドの中にあって、このホーネット900は軽量・高出力で高いスポーツ性能の高さを誇る異色のネイキッドでした。

ホーネット250のフレームを進化させた到達点

もうひとつ、ホーネット900を語る上で決して忘れてはならないバイクがあります。それが「ホーネット250」です。
この車両は250cc軽量ロードスポーツながらCBR900RRと同じサイズのタイヤを履く、とても個性的なバイクでした。
フレームはスチール製モノバックボーンフレームを採用、非常にしなやかで、大きなタイヤに負けない高い剛性を持った非常に評価の高いものでした。後にホーネット600にもこのフレームがほぼ同じ構造で採用されています。このフレームは600ccエンジンと非常に相性がよく、250ccの車体に600ccのエンジンを乗せたこのバイクはジムカーナを舞台に一時代を築き上げたほどです。
そして250ccから600ccへと進化した車体は、さらに900ccホーネットを生み出しました。
600ccホーネットのフレーム構造をほぼそのままに、スチール製モノバックボーンフレームは板圧を上げて剛性を確保し、そこの900ccエンジンが搭載されました。
250ccのフレームに900ccのエンジンを搭載したホーネット900は過激な加速性能とツーリングや日常使いでの扱いやすさといった一見相反する特徴を高い次元で両立させた、包容力の高いハイパフォーマンスモデルとして、長く愛されることとなります。
残念ながら日本では3年間と非常に短い期間での販売となりましたが、海外では1000ccの後継機が販売されている2013年現在でも新車のホーネット900が入手できるそうです。