最新ウインターグローブ試着レビュー(1)
毎年恒例のウインターグローブ試着レビューです!
2016~2017年最新モデルのウインターグローブを
すべて試着してきました!(といっても、モデルチェンジしていない昨年から見るグローブもちらほら。)
2016年1月はライコランド吹田店様にお邪魔しました。
残念ながら吹田店は今年閉店となり、2016年11月の再調査は南海部品箕面店様と伊丹のバイクワールドさんにお邪魔しました。
店員さんもかなり勉強されている様子で、特に南海部品さんでは部位による防寒レベル整合の話や、電熱装備のぶっちゃけ話でとても楽しい時間を過ごせました。
昔から電熱装備はありましたが、数年前からむしろ電熱装備があたりまえ、去年はどのお店も電熱グローブや電熱インナーグローブだらけといった雰囲気でしたが、今年はちょっと様相が変わってきていました。電熱グローブのコーナーはちょっと縮小傾向。電熱ブランドの淘汰が進んだのか、ウィンターグローブの復権が始まったのか。今後の動向を見守りたいと思います。
電熱グローブもいいですが、最近のウインターグローブも昔と違い多様な高機能素材が使われていますので、薄いものでもそこそこの耐寒性能を発揮してくれます。
毎年何度もウィンターグローブのチェックをしているとブランド毎の特長も垣間見えてきます。
数年前からウィンターグローブに関してはゴールドウインが構造的に他メーカーよりも一歩進んでいるように感じています。
2016年後半戦においても、他メーカーはゴールドウインに追いつけていないと感じます。
このあたりの話はまたのちほど。
各店で試着したウインターグローブの中で特に印象に残ったものを厳選して紹介させていただきます。
ウインターグローブの紹介だけでは面白くないので、グローブ選びの際に気づいたことや、選び方の基本的な考え方などもはさみながら解説していきます。
装着感抜群の立体裁断。壊れやすい部分の工夫が◎!
ホンダ プロテクトウインターグローブ 0SYEJ-W6E
初めて手にした瞬間から「あ、これいいな」と感じるウインターグローブです。
ホンダはシーズン毎にモデル進化を繰り返しており、今シーズンのモデルもしっかり仕上げてきた印象です。従来モデルからの特徴でもある着け心地がとても良好な点も健在です。
生地の厚みもほどよく、グローブの破れやすい部分に縫い目を極力作らないように裁断されています。生地をムダにしない為にも生地を細かいパーツに分けて縫い合わせる方が安く作れるのですが、このグローブは立体に裁断して縫い目を少なくする工夫がところどころ見受けられます。もちろんその方が丈夫につくれるのですが。
安全性を考慮したプロテクター類が要所に配置され、手のひらのグリップ生地がすばらしく、しっかりグリップしてくれる印象です。
生地の耐久性は使ってみない事には判りませんが、プロテクション性能、独自の立体裁断で耐久性を向上させている工夫をみても、とてもバランスの良いスポーツウインターグローブだと感じました。
どちらかと言えば、ライディングを妨げない装着感を重視しつつも、耐寒性能も妥協したくないという方にオススメしたいウインターグローブに仕上がっています。
ウインターグローブの選び方
ウインターグローブの選び方で注意することは、
防風性・保温性、操作性のバランスです。
この一言に尽きます。
暖かいグローブは分厚くなり操作性は落ちます。操作性の良い薄目のウインターグローブは保温性能が劣りがちです。それは最新素材がたくさん出そろっている今でもあまり変わっていません。
ウインターグローブの保温性はデッドエア層と呼ばれる空気の層が作ります。デッドエア層を確かなものにするために防風性能の高い素材を表面に使っています。
防風性能だけで寒さがしのげるなら、素っ裸の体にサランラップを巻けば寒くないはずですよね。でもそれだと凍死しちゃいます。
ウインターグローブに求められる保温性は、デッドエア層を守る防風素材と、デッドエア層をどれだけ確保できるかによって、その性能の大部分は決まります。
長時間にわたるライディングならさらに透湿性が重要度を増してきます。湿度の高い空気がデッドエア層で冷えてしまうと、体感温度はさらに冷たくなり指先からゆっくりと冷えてきます。
そのため、透湿性の高いゴアテックスのような高価な素材がウインターグローブにはよく使われています。
話が理屈っぽい方向にいってしまいましたね。
要するに、ちゃんと保温してくれるグローブは高価になりがちだという話です。
そしてユーザーとしては高価なウインターグローブは長持ちさせたくなるのが人情です。
次は、ウインターグローブを長持ちさせるお手入れについてちょっとだけお話します。
真冬ツーリングの強い味方。ゴアテックスの普及モデル
ゴールドウイン GSM16551
GSM16551 GORE-TEXライディングウォームグローブ
防水・防風に関して特化したウインターグローブです。継続販売されつづける定番モデル。デッドエア層も厚めでゴアテックスとシンサレートを使用しており、スペック的には厳寒地仕様のハイスペックモデルと呼ばれてもおかしくないグローブです。
このモデルの少し前から採用されている指の甲側を多層構造化、防風断熱する造りは現在ではトップモデルのみに採用されている構造です。
普及価格帯でこの構造を採用しているこのモデル、実は隠れたお買い得品です。
生地の厚みが気になるものの、着け心地も良くツーリングメインでの使用にはうってつけのハイスペック・ウインターグローブに仕上がっています。オススメのウインターグローブです。
単体でもかなり厳しい環境に対応できますが、グリップヒーターと組み合わせれば快適度は飛躍的に向上します。
高価なウインターグローブを長持ちさせるお手入れ方法
ウインターグローブの構造はとても複雑です。グローブは防風素材とデッドエア層に分かれており、さらにグリップ力・耐久性のある掌部の素材やプロテクター素材、振動吸収素材など、さまざまな高機能素材を複雑に縫製してつくられている上、それが手のひらサイズというコンパクトさなのですから、
複雑もいいとこです。
そんな複雑な構造をもつウインターグローブですから、ちょっとした事でその性能を破壊できてしまうんです。
長く使って、摩耗してお亡くなりになるのは、まぁ納得できます。
しかし、大事に半年使って終了なんて目も当てられません。
お手入れにはしっかりと構造的な知識をもって挑みましょう!
といっても、洗い方くらいなんですけどね。
先ほども書いたように、長く使って摩耗するのは仕方がないので諦めてください。
使った分だけ消耗するのはどうしようもありません。
気をつけなければいけないのは、グローブ内部にいくつかある極薄素材です。
ゴアテックス(GORE-TEX)やシンサレートに代表するような、薄い割に重要な機能を持った高価な素材達です。
これ、洗濯機で洗ったり乾かすのはもちろんの事、できれば濡らさない方がいい部分です。
厳密にはゴアテックスも3Mのシンサレートも水に濡らしたり洗濯できる素材ですし、素材メーカサイト上でも定期的な洗濯で効果を回復させると記載しています。
しかし、同時に「製品についている洗濯表示マークに必ず従ってください」と記載があり、多くのゴアテックスグローブは洗濯表示マークが無かったり、洗濯できない旨が明記されています。
複雑な構造を持つグローブの場合、ゴアテックスは透湿性とともに防水性がある素材なので、水で洗ってヘタに圧力がかかってしまうと簡単に破れてしまいます。
洗濯機洗い、ドライクリーニングは不可です。
洗うこと自体できれば控えたいところです。
雑巾みたいに強く絞るのは厳禁!もってのほかです。
ゴアテックスを使った装備品、どうしても洗う必要がある時だけ、やさしい手洗い(押洗い)をしてあげましょう。
表記されている以外にもどんな高機能素材が使われてるやもしれません。作業着用洗剤に代表されるアルカリ系洗剤は極力使用を控え、繊維に優しい洗剤が適切。
洗浄はメーカーサイトや製品貼付の洗濯表示に従った方法で行いましょう。
攻撃的デザインと堅牢な作りで定評のあるウインターグローブ!
ラフアンドロード RR8702
ラフアンドロードゴアテックス(R)プロテクションウインターグローブ
デザイン性を重視している為、やや細かいパーツに分けすぎており、また細身のデザインのため、防寒性に関しては上の2つとくらべてやや劣りますが、さまざまな最新の極薄素材を使い、薄手でコントロール性も高く、必要十分な防寒性を持たせたゴアテックスグローブに仕上がっています。
はじめて紹介させていただいたRR8700からふたつモデルチェンジを経てなお外観から伝わるレーシーな雰囲気は他の追随を許しません。
コントロール性を犠牲にしたくない硬派なライダーにお薦めです。
ラフアンドロードは長くグローブを作ってきた実績もあり、一定の防寒性をしっかり維持していますので安心して選ぶことができます。
このシャープなデザインと雰囲気が好きなら迷わず選べるウインターグローブです。
その他のウインターグローブ。その他の選択肢。
ここまで2016-2017年の最新ウインターグローブ見てきました。
手・指先の防寒対策は防寒バイクウェアの中でも特に重要で悩ましい部分です。
防寒対策としてのウインターグローブはある意味王道ですが、グローブの防寒性能を落として、電熱インナーグローブやその他の防寒アイテムを駆使、操作性と耐寒性を両立させて極寒ライディングを楽しんでいる方もいます。
引き続き最新ウインターグローブの紹介とウインターグローブ以外の防寒対策について紹介させていただきます!
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