アドベンチャーバイクのレジェンドKLR650終了のウワサ
シングルエンジンのミドルアドベンチャーバイクといえば何を思い浮かべますか?
日本で比較的入手性が高いのは、BMWのF650GS、G650GS、XTZ650Tenereあたりです。
ところが日本に導入されたのがほんの一時、つい先日まで生き残っていた、世界的に名を馳せた古参の名車があります。
アドベンチャーバイク界のレジェンド、カワサキKLR650です。
とうとう終了、新しいモデルへ移行するとのウワサがあります。
31年の長きにわたり君臨してきたレジェンドは本当に消えてしまうのでしょうか。
KLR650はどんなバイクだった?
KLR650は単テネ、650GSとほぼ同じディメンション、エンジン仕様を持っています。
決して優れた動力性能を持っている訳でもなく、125~250トレールのような身軽さも持ち合わせていません。
けれどシングル650クラスのアドベンチャーバイクには、乗ったものにしか理解できない愛される理由が確かにあります。
道具に徹するクレバーさ
バイクの魅力といえばなんですか?
高出力、造形美、ハイパフォーマンス等々、いろいろあります。
アクセルをひとひねり、三半規管が麻痺するような加速が与えてくれる刺激。
芸術品のような美しさもつバイクや現実離れしたハイパフォーマンスバイクを我が手にしたという現実がもたらす高揚感。
バイクの魅力はたくさんありますが、シングル650アドベンチャーは、こんな夢とか刺激みたいな訴求ポイントをなにも持ち合わせていません。
ただ扱いやすいだけ。
シングルエンジンのレスポンスはただただ扱いやすく、200kgそこそこの装備重量は、軽量トレール車よりも60kgほど重く、重量級アドベンチャーより60kgも軽い。
この中途半端な重さがもたらすものは『あらゆるシーンをなんとなくこなしてしまう万能性』。
高揚感や刺激といった派手な感情をシングル650アドベンチャーはライダーに一切与えてくれません。
シングル650アドベンチャーがもたらすものは『ただ扱いやすい』だけ。
それも極上の、操っている事さえ忘れるなるほどの扱いやすさと万能性です。
なんだかんだで丈夫
コかしてもわりと丈夫です。
140kg台の軽量トレールバイクほど壊れないかといえば、そんなことありませんが。
それでも260kgクラスに比べると転がした時の衝撃は大きくありませんし。
CRF1000L等のパラツインエンジン搭載車の場合、横幅の広いクランクやDCT等々でエンジンの下半身がデップリ横に張り出して、ジェネレーターカバーがわりと頻繁に割れます。
テレパラレバーも、構造がやや複雑で各関節ごとに消耗するため、日頃のケアが本当は必要な構造です。
車体構造もエンジン構造も限りなくシンプルで部品点数も少ない、そしてコンパクトで軽量なシングル650アドベンチャーは、壊れる原因自体が少ない。
軽量トレールと変わらないシンプルな構造でちょっと重くなっただけのシングル650アドベンチャーはなんだかんだで丈夫なのです。
消えゆくシングル650アドベンチャー
このシングルミドルアドベンチャークラス、結果的にはKTMもBMWもヤマハもシングルを捨ててパラツインに移行しました。
最後の砦だったレジェンドKLR650も消えるとなると、このクラスの存在自体何だったのかと問いたくなります。
KLR、F650ともに恐ろしく長い間、さまざまな規制を乗り越えて入門用アドベンチャーバイクとして親しまれてきました。
これからはBMWやKTMから登場する軽量な排気量400cc以下のシングルエンジン搭載車が入門用アドベンチャーとなるのでしょう。
あるいはアンダー1000ccのパラツインエンジン搭載車もその役割の一部をはたすのかもしれません。
けれどこれらのバイクが、これまでシングル650ccが担ってきたシーンをカバーできるのかといえば、ちょっと疑問。
誰でも扱いやすく大らかなエンジン、箱を3積んだうえ、タンデムでも快適に峠を流し、高速を快適な速度で巡行できるユーティリティ性を持ち合わせ、そのうえに安価で頑丈。
こんな絶妙なバランスでなりたってきたジャンル、そうそうありません。
シングル650アドベンチャーは一度手にしてしまえば離れられなくなる甘い蜜。
わりと本気で次もこのクラスがいいなと思っていましたが、もう選択肢がありません。
いちど消えたF650GSはG650GSに名を変え、ほぼ外装チェンジのみで再登場しました。
何も変えなくていいから、いま一度、KLR650やG650GSの再登場を夢見たくなります。
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