唐突に『がんばれ南海部品!』
G650GSのリアのブレーキパッド交換をしなくちゃと思いつつのびのびになっていましたが、ひさしぶりの晴れた日曜なので重い腰を上げてみました。
パッドは南海部品で調達。
伊丹の大型店舗にパッドの在庫確認したところ車種を伝えただけで
「外車の取り扱いはございません」
というわけのわからない即答。
国産にも使われているパッドなのにと思いつつ、客としても店頭在庫すら調べる気のないお店で購入する気も起きないわけで。
南海部品で店頭在庫のパッドと減ってきたケミカル類を購入!
パッドの面取り(バリ取り)
買ったのはSBSの『675HF』というセラミック系シンタードパッド。
箕面の南海部品でセール品になってました。ラッキー。
面取りは気持ち程度。バリ取りの感覚です。
金ヤスリを何度か往復させて終了。
車体後側の面(=ピン側)だけはちょっと多めに削ります。
バイク屋さんにお願いするとこれでもかってくらい削られますが、自分で作業をするわけですし、『保険的な意味合い』で必要以上にパッドを減らす必要もありません。
泣けば外して削ればおk。
どのくらい削ればいいのかという目安は、指先をディスクに見立ててパッドをなぞってみます。引っ掛かりがあるところを削るのですが、削ったところが角張ったりしないよう、全体になだらかになるよう角を落としていきます。
せっかくだからホイールベアリングもグリスアップ
パッド交換ついでにリアホイールのベアリングもグリスアップします。
G650GSの走行距離も2万kmを超えています。普通ならグリスも固着して真っ黒のはず。
しかし前オーナーさんがクロモリのアクスルシャフトを導入しています。
PEOのクロモリアクスルシャフト、工作精度が高くひずみが起きにくいのが特徴。
これはベアリングに不要な歪をおこさせない(ストレスを与えない)唯一の方法です。
曲がったシャフトでしばらく走るとベアリングなんてすぐ砕けます。
『ベアリングに優しい環境=ベアリング壊れにくい』です。とっても経済的。
普通1万kmも走ればグリスを足したくなるところ。
クロモリシャフトではベアリングがどんな感じになってるのか、興味津々です。
ホイール側に左右2個、スプロケットにも左右2個、計4個のベアリングがついてます。
マイナスドライバーでダストシールを2枚取り外し、マイナス精密ドライバーでシールドをペロンと4枚剥がします。
中を覗いてみると、わりと汚れていないグリスが残っていました。
粘度もしっかり残っていてまだまだいけそうな雰囲気です。
iPhoneのカメラ部が壊れたので今回写真はありません。
高速回転するホイール内のベアリングの中に封入されているグリス、このグリスの最も重要な目的はベアリングの焼き付きを防ぐことです。
ベアリングの回転による撹拌や発熱によりグリスはペーストから液状化しベアリング内で潤滑剤として活躍します。冷めればふたたび見慣れたグリスの状態に戻ります。
何度も液化、ペースト化を繰り返すことでグリスは徐々に劣化し、最後には液状化できなくなります。グリスを定期的に入れ替える理由はこれです。
ほんのすこしでも生きているグリスがあれば、ベアリングが焼き付く事はありません。
ところが、グリスが亡くなるとシビアコンディションだと10分とたたずベアリングは焼き付きます。
ところが今回の古いグリス、2万km3年以上経過しているにもかかわらず生きていました。なかなかの状態。
前オーナーさんがシャフトを交換したときにグリスを再注入されたのかもしれませんが、今回開ける必要は特になかったようです。
さてさて、これはクロモリシャフトの効果なのか。
精度の高いシャフトがベアリングの発熱を抑えているのだとしたら、ベアリングの寿命がどれほど伸びるのか、今後の経過がとても楽しみです。
とりあえず、古いグリスを除去してリチウム石鹸基のスーパーゾイルグリース(Amazon)をベアリングにギュッギュッと詰め込みます。
計4個のベアリングを回しては詰め込みの繰り返し。
シールドをはめてグリスアップ完了。
ダストシールも再利用するので、綺麗に拭き取ったあとスーパーゾイルラバーグリース(Amazon)を詰めて圧入。
再利用なので水の侵入、それなりに怖いのでしっかりグリスアップします。
キャリパーとピン、ピストンも洗浄してグリスアップ。揉み出して完了。
このときピストンに使うのもラバーグリース(Amazon)です。ピストンの動きも見違えるほど良くなります。
組み付けてリアを浮かせて空転させると、古いチェーンが付いているとは思えないほどよく周ります。ブレーキの引きずりもなくいたって良好。ちゃんと組まれた新車のごとき動きをしています。
組み付けて試走してみましたが、目立った変化はありません。
元のコンディションも良かったですしね。
ABSの作動テストをしてみるといままでとはちょっと違う雰囲気です。
これはパッド種類の違いによるものかな。今回使ったのはSBSのセラミックシンタード。
ブレンボ純正パッドよりも細かな制御が入っているような感じです。よく効いて油圧変化に敏感に制動力がついていくパッドなのか、それともディスクを歪ませてしまったのか(汗)
ホイールを空転させている限り別段問題はなさそうなので様子見です。
試走が終わり各部のチェックと増し締めして完了。
ブレーキラインの取り回しを一箇所間違っていましたが大した問題もないようなのでタイラップで一箇所固定して済ませます。
ベアリンググリスアップの効能
ホイールベアリングは痛んだら交換でもいいのですが、定期的にグリスアップすることで寿命が段違いに伸びます。
それに何度も交換できる部品でもありません。G650GSは長く乗るつもりですし、ホイールをできるだけ長く使うためにも、定期的にしたい作業です。
ベアリングに優しいクロモリアクスルシャフトがついていることですし、2万kmに1回グリスアップ、6万km交換くらいだと嬉しいなぁ。
何もしないよりは間違いなく寿命が伸びるベアリングのグリスアップ。
面倒ですがこれも生活の知恵ですね。