大層なタイトルですが、内容はいつものごとくヘナチョコなのだ!
ここでは、長年使ってきたAZのMEG-024と今回はじめて投入したSUNOCOのレッドフォックス(全合成)のエンジンオイルをインプレッションします。
ここまでのあらすじ
愛車はG650GS、積んでいるエンジンは652ccDOHC単気筒です。
名門ロータックスデザインの超ショートストロークエンジンでカリカリに弄られたこのエンジンはパリダカを2回ほど制覇しています。
歴史に残るゴキゲンシングルエンジンです。
3年前の購入当初は10W-40のエステル入りレース用某オイルを入れていたのですが、レスポンスが良すぎて正直しんどかったことを覚えています。
その後、ものはためしとAZのMEG-024を入れたところ、ほどよくマイルドなアクセルレスポンスになり、しまとももチョーご機嫌。
その後5~6回ほどリピートしていたのですが、気になっていたのが『ややギア抜けする』という症状です。
しっかり、ちゃんと、横着せずに最後までシフトチェンジしさえすればギア抜けはしません。
ギア抜けはそうそうしないとはいえいつも抜けるタイミングは同じ。
ペースが速くなり、アクセルを開けるタイミングも早くなり、ワイドに開け始めて、ちょっとシフトチェンジが荒くなった瞬間、すっぽーん!と抜けます。
ちょっと気になる。
オイルの選別
ミッション周り、多少でも衝撃吸収性が上がればと100℃の動粘度が高めで、できるだけ組成違いのオイルを試してみることにしました。
100℃時での動粘度違いを選んだ理由は、ギア抜けするのは高温時だからです。他に指標もありませんしね。
あとはベースオイルが違うものであれば比較検討する材料になるかと思いました。
他にとりたててコダワリはありません。
AZ MEG-019 15W-50
MEG-024と同じくエステル入りのAZ製オイルです。
ベースオイルのグレードが低いそうですが、SAE粘度から少し固めではないかと想像しました。
ところが。
MEG-024の動粘度は
40℃ 121.30 cSt
100℃ 17.26 cSt
対してMEG-019の動粘度は
40℃ 118.10 cSt
100℃ 16.92 cSt
MEG-019の方が粘度が高いと思っていたのですが、実際はMEG-024の方が高めということで却下。
SUNOCO REDFOX Racing & Sports 15W-50
こちらはノンポリマーかつ、ベースオイルがポリオールエステルという、ウリがどことも被らないちょっと風変わりな特徴を持っているオイルです。
同系統はアッシュの超高級オイルくらい。
青木宣篤選手が耐久レースで好んで使っていると、バイクブロス様のランディングページで紹介されています。
レーシングオイルはちょっと・・・なんて思いつつも動粘度は
40℃ 133.2 cSt
100℃ 18.9 cSt
とMEG-024に比べてすこーし固め。
上記の製品紹介ページでも書かれていますが、長時間の高温環境化でも粘度低下を起こしにくいとあります。
まさにうってつけ!
値段もリッター1500円を切っているので、何とか手が届きます。
さっそく購入、入れてみました。
SUNOCO REDFOX Comfort & Street 15W-50
同じくSUNOCOのコンフォートオイルです。
こちらは部分合成油。
まとめ買いすればリッター1000円を切ります。
Power1 4Tあたりと比べれば高価ですけど、Racing & Sportsでギア抜けが治らなければ、こちらも試してみたいと思います。
それぞれのオイルの印象
エンジンオイルの評価方法については好事家ごとのコダワリが強く、主張の偏りも大きく、宗教じみたところがあります。
だから耐久性だの、油圧だの、油温だの、熱に強いだの弱いだの、細かいことはいっさい語りません!
以前も書きましたが、しまとものエンジンオイルの評価基準はズバリ
『アクセルレスポンスが好みかどうか』
これだけ。
今回みたいに『ギア抜けが気になる』なんて具体的な問題に対して対処療法的にオイルを変えてみたりすることもありますが。
AZ MEG-024 10W-50の評価
ずっと繰り返し使い続けてきたMEG-024は気持ちよく上までアクセルを開けたくなるお気に入りのオイルです。
10W-40のレーシングオイルよりはずっとマイルドなアクセルの反応具合です。
『開けたくなる』の裏を返せば、下の回転数ではトルク感が薄くアクセルを開けても回転数が付いてくるまでの間がちょっと頼りなさげな印象ということ。
箱を3つ乗せた状態だと、頼りなさげな印象はより顕著にあらわれます。
ですが、回転数が上がってくると大変な優等生っぷりを発揮します。
下の回転数はもともとカザリみたいな多気筒エンジンやショートストロークエンジンにはとても相性がよいと思います。
G650GSに入れた場合、上の回転数を常用するような使い方になりがちですが、小気味よい乗り味です。
SUNOCO REDFOX Racing & Sports 15W-50の評価
MEG-24と比較すると、第一印象は硬いオイル。
低~中回転域(タコゲージ下半分くらい)の回転数の上昇は遅くなります。
上半分はこれまでとあまり変わらない印象です。
これがどんな乗り味なのか。
まったりペースで走っている時、アクセルに対する反応はこれまでよりも大らかな。
挙動がゆったりしているので快適なクルージングができます。
感覚として近いのは、すこしクランクが重くなったような感触です。
良いように言えば
『ゆっくりめに、上品に回転数が上がるのでトルク感が出た』
悪く言えば
『アクセルレスポンスはもっさり』
よく使う中回転域のレスポンスがすごくマイルド。
MEG-024でも十分『カド』の取れた印象だったのに、まだ取れる『カド』があったのかと驚きます。
とても扱いやすく、流すペースで神経質なところが一切ありません。
大好きなMEG-024と比べても、ただただ扱いやすい。
トルクのフラット感がさらに際立ち、より眠たくなる回転フィールです。
空荷でも、箱3つつけてもトルク感のある印象は変わらないあたり、G650GSのエンジンにはMEG-024よりもキャラクターは合っているように思います。
そのほか、気になった事を羅列してみます。
1.上まで回せばアクセルフィールもMEG-024と変わりなし
2.ギア抜けはかわらず起こる
3.シフトチェンジの感触もMEG-024と変化なし
4.シフトチェンジの衝撃は減少した
5.こまかな振動・ノイズも減少
6.まだ10%くらいMEG-024が混ざった状態なので、あと数回継続して同銘柄を使います
結論
さて・・・どうしたものか。
目的だったギア抜けはいまのところ改善せず。
けれど予想外に使いやすさを得て、さらに癒し系エンジンへ変貌を遂げました。
これはこれで好印象。
高回転域はMEG-024と遜色なく、シフトチェンジの衝撃やエンジンノイズの減少もあり、すべてが良くなったと表現できるかもしれません。
結論としてはREDFOXイイネ!です。
あと数回入れ替えを繰り返して、MEG-024が完全に抜けたあと、ギア抜け症状がどうなるか経過観察になるわけですが。
とにかく継続使用決定です。
余談
正直に思っていることを書くと、素直にREDFOX最高!と言うにはちょっと抵抗があったりします。
今回たまたまREDFOXを選びましたが、G650GSのエンジン、硬めの動粘度のオイルと相性がいいだけで、実は他の安い部分合成油でも同じような感想になったんじゃないの?という疑念。
そのチョコは美味いのか?
ピエールマルコリーニのチョコとモロゾフのチョコを食べ比べたらどっちも美味しかった。
・・・実はフルタの生クリームチョコも同じくらい美味しいんじゃねーの?
いまこんな気分です。
あるいはハーゲンダッツの抹茶ミニカップ(200円)とレディボーデンの抹茶ミニカップ(100円)、目隠しして食べたら区別なんてつかない説?
これじゃまるで水曜日のダウンタウンの様相です。
ちなみに1行目の『ヘナチョコ』とかけてます♪(得意気)
細かいことは気にしない
脱線しました。
エンジンオイルの話に戻りますね。
好みのフィーリングかそうでないのか、これは確実にあります。
実際、レース用謳ったレスポンス良いオイル、操作が煩雑で気が抜けなく、疲れるから硬め硬めへと入れ替えてきたわけですし。
ここに、フィーリング以外の評価基準、コストパフォーマンスがーとか、耐久性がーなんて、細かいことを言い出すと収拾がつかなくなります。
エンジンに優しいかどうか、気になるなら交換サイクルを少し早めてやればいいわけですし、油膜保持なんていまどきのエンジンオイル、いまどきのエンジンならそうそう問題になるとは思えませんし。
・・・そうそう問題になる例外。
書いてるうちに、問題になるシチュエーションを思い出しました。
イジるほどに縮む寿命
適切な油圧、適切な油温から外れるごとに、オイルの性能や耐久性への依存性が高まるのは事実です。
規定値以上に過剰投入したオイル量、指定より柔らかすぎるエンジンオイルの使用、内圧コントロールバルブの導入、燃調を濃くする、エアクリの状態、またはエアクリ除去、整備不良による二次エアの吸い込み、古プラグのミスファイア、社外マフラーその他もろもろ。
弄れば弄るほど、消耗品をケチればケチるほど、ブローバイガスは増え、インジェクターの穴を詰まらせ、オイルを汚し、燃調は狂い、ラムダセンサーを筆頭にセンサーもエラーを吐き散らかします。
こうしてノーマル原理主義者が生まれる
過去、そんなバイクに乗っていました。センサーが異常を吐き、ECUがメクラになると、とりあえずインジェクターはガソリン吐出量を増やしていました。
ホンダは薄いよりマシという判断をしたのでしょうけど、お陰でスムーズな回転は消え、オイルも早々に汚れはじめます。
イジリ倒したり、整備をないがしろにした結果、内在する問題を露出させまくって、対策に疲れたおっさんがノーマル原理主義者に近づいていくのはこんな理由です。
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