おことわり。
林道経験の少ないオンロードバイク乗りの感想です。
特に軽量トレール車にお乗りの方とは感じ方が大きく異なっているかもしれません。
初心者の素直な感想と、お読み笑い飛ばしていただけると幸いです。
名前は似てても個性が正反対!ANAKEE WILDとANAKEE3
ツーリングタイヤに深くて幅の広いミゾを掘って未舗装路に対応してみました。
オフロード用のブロックタイヤに舗装路で破綻しない性能を持たせてみました。
このタイヤの特徴をみじかく表現するとしたらこんな感じ。
名前はよく似たふたつのタイヤ。
けれど、そもそも出発点がまったく違います。
両方のタイヤを使って思うことは、そもそもお互いに比較できるタイヤ同士ではないということ。
アナキー3とディアブロロッソコルサ2を比較することは、まぁなんとか。若干の違和感はありますが。両方ロードタイヤですから。
アナキーワイルドとエンデューロタイヤやトライアルタイヤと比較するのも・・・違和感は多少ありますが、まぁなんとか。どれも不整地用タイヤですから。
ところが、アナキー3とアナキーワイルドはそれぞれ、ツーリングタイヤとトレールタイヤです。
ね?お互いに比較対象ですらありませんよね。
最初に結論から。
ただちょっとだけ、舗装路でも破綻しない特長を持たせています。
林道走行ありき!舗装路は林道に自走する為にある!という方、常にハードな道を目指す方には超オススメ。
フラットダートをごくたまに流してワクワクしたいだけだ!って方にはちょっとデメリットのあるタイヤです。
アナキーワイルドでの市街地走行
はじめてのブロックタイヤ。
さぞ乗り心地が悪いのかとおもいきや、割とそうでもありません。
極低速でフロントからゴソゴソ振動を返してきます。
リアはそれほど気になりません。
30~40km/hまで速度を上げると、なんだかザラザラした路面を走っているような感触に変化します。
このくらいの差なら、慣れればさして気になるものではありません。
ブロックタイヤでの市街地走行、また長距離走行でもさして警戒するものではありませんでした。
アナキーワイルドでの林道走行
ガレた坂の途中で停車しても滑り落ちていかないこと。とにかく路面がどうあれ、アクセルをあけたら前に進んでくれること。
最初に感動したのはコレです。
つまらない感想で本当に申し訳ない!
けど率直に、素直にそう思いました。
アナキー3だと、ある程度勢いを付けて、路肩にカントがあればそこにタイヤを立てるように、極力ハンドルに頼らずラインを見極めて登る必要があります。
途中で止まったら失敗です。終わりです。落ちていきます。
滑り落ちる中、コケないようにバランスを取り、必死になってバイクが静止するまで耐えます。
ガレた路面は覚悟と気合で乗り越えなければなりません。
ところがアナキーワイルドさんは違いました。
坂の途中で平気で止まれるものだから、のんびりマイペースで少しずつ坂を上っていけます。
アップヒルの角度が強くなるほどに、アナキーワイルドでも同じことをしなくてはならなくなるのでしょうけど。
とにかく、いままで速度がなくては登れなかった坂も、ひとつ超えたらひとやすみ、ふたつ越えたらまた体制を整え直すというふうに登っていくことができます。
ブロックタイヤを初めて履きましたが、これほど心にゆとりを持てた林道走行ははじめてでした。
指定空気圧のF2.2、R2.5では、こぶし大くらいの岩が突き出ている坂ではタイヤが流れ気味になります。
F1.8、R2.0まで落とすとほんのちょっと安定感がでてきます。
※2019/02/13追記
1年後、リアを新品にしてプラザ阪下のエンデューロコースを走ってみました。
前後1.5まで落としましたが、楽しく走ることができました。
コーナーの立ち上がり、アクセルを大きく開けるとゆるやかにリアが流れていきます。
いままでのようにズバっと流れません。
林道経験の少ない私でも、不安なく林道を走らせることができました。
でもこの感想って、ブロックタイヤの感想ですよね・・・きっと。
もし200kgを超える車重のバイクで、ツーリングの度にガレ林道やフラットダートを走るならこのタイヤはオススメです。
アナキー3クラスと比べれば、安全を多少なりとも担保してくれます。
※2018/04/10追記
アナキーワイルドで剣山スーパー林道を約100kmほど走ってきました。
タンクバッグが邪魔でほぼずっとシッティングです。
巡航速度は40~30km/h。
長い直線で上限が60km/hくらい。
コーナーは20~35km前後で進入するペースで安定して走行できます。
アナキーワイルドで近場の林道を走り回った感想ですが、もうアナキー3で走っても林道走行は楽しくなくないだろうなと思います。
アナキー3、大好きなタイヤなのでちょっと寂しい気もしますが、グリップするか不安な気持ちもありながら慎重に走る楽しみ方より、気楽に林道を流せる心地よさの方が勝ります。
多くの方は一度アナキーワイルドを経験したら、林道走行をやめる決断をしない限り、ブロックタイヤを履き続けることになるかと思います。
アナキーワイルドでのワインディング
アナキー3はワインディングで輝く素晴らしいツーリングタイヤでした。
過不足の無いグリップ力と高い剛性で安定したワインディング走行を楽しめました。
しかも超ロングライフ。
ごくたま~に、初見の林道でひどい目にあいますが、フラットダートならそこそこ気持ちよく流せます。
万人にオススメできるデュアルパーパスタイヤです。
一方アナキーワイルドはというと・・・ワインディング走行、想像していたよりは悪くはありません。
徐々にペースを上げてみても、そこそこの接地感を維持しています。
思っていたほどの破綻、キモチ悪さはありません。
タイヤがグリップする前提のオンロードバイクの乗り方では、速度が増すたびに接地感は薄らいでいきます。
速度を落とすか、車体をしっかり外足でフックしてリーンアウト気味で走らせるか。
どちらにしろ、限界はそれほど高くないのでハイペースで流すのはほどほどにした方がいいのかもしれません。
アナキーワイルドのライフ
うーん・・・まだ走行1日目が過ぎたばかりです。
タイヤを見るとすでにカドが落ちています。
特にリアは顕著でこの調子だと何千キロ持ってくれるのかとハラハラします。
一応、大排気量車がパワーを掛けてもブロックが飛ばない程度には計算されて作られているハズですし、せめて5,000kmはもってほしいところ。
せっかくですから、別ページで舗装路での走行距離と林道での走行距離を計りながら、タイヤの摩耗の様子をレポートしてみたいと思います。
※2019/02/13追記
リアは1年で約5000km、フロントはあと1年いけそうな感じです。
まとめ
結論は最初に書きました。
特に初心者の私が林道を走るのなら、このタイヤは身の安全を助けてくれる素晴らしいタイヤです。
いままで挑戦すらしなかった場所に行ってみようかと思わせるくらいに魅力的です。
けれど、200kgを超える車両でハードな林道を走ること自体がリスキー。
このタイヤを履くことで、ライダーが調子に乗ってリスクが増すのであればオススメできるタイヤではありません。
けれどある程度自制しながら林道を安全に楽しめる方には、ちょっとこのタイヤいいよ!とこっそり教えてみたくなるタイヤでした。
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