潤滑剤なのに潤滑以外の目的で使われるもの、逆に潤滑剤ではないけれど一時的な潤滑を目的として使用されるケミカルも多少あります。それは一体どんなものでしょう?
CRC 5-56
これは潤滑剤として販売されている立派な潤滑油です。
けれど揮発性が高く、バイクを含むアウトドア用途ではそれほど効果が長続きしません。
けれどオイルですから、油脂を溶かす効果もあり、古いグリースを洗い流す用途で使うことがあります。
パーツクリーナーを使わず、あえて5-56を使う理由は、油分を残すところにあります。
たとえばシールドベアリング内の古いグリース、パーツクリーナー等で完璧に油脂を取り除きたくない場合などがそう。
こういった際に、古いグリースを洗い流しつつ、新しいグリースを封入するまでの短い期間ですが油切れを予防することができると考えられています。
やりすぎた考えかもしれませんけどね。
それでも多くの方が5-56や柔らかいオイルを洗浄用に使っています。
焼付き防止剤(アンチシーズ等)
これは高温になるところに使用し、部品同士の固着やカジリを抑制するために使用するケミカルです。
ほぼグリースと言っていい性状のものですが、添加剤として個体潤滑剤が使用されています。
高温により油脂が飛んでしまったあとでも、ボルトやプラグなどを外すとき、部品同士の接触面の潤滑を助けて焼付きを防いでいます
モリブデングリースやステンレスの固着を防ぐ ボロンナイトライドを配合したペーストなどもよく使われます。
ラバープロテクタント
合成ゴムやエラストマーといった柔らかい部品の中には揮発性の成分が入っています。
ようは、長期間ほうっておくと、中の潤い成分が抜けてカサカサ肌になるということです。
カサカサ肌になるとどうなるか。部品はヒビ割れてきます。
それを防ぐために、昔はグリースをべったりと塗りたくるようなこともよく行われていました。
いまもそうですが。
さて、グリース、酸化しやすい性状のものを塗ってしまうと、部品にも酸化ダメージを与えてしまい、実は逆効果。
カサカサ肌予防なんてグリースの本来の目的ではありません。ゴムに使って良いものか悪いものか、明記なんてされていませんしね。
そんな状況に終止符を打ったのが、クレのラバープロテクタント。
揮発成分の抜けた穴に潤い成分を再結合させるケミカルです。
出自はおそらく潤滑剤ですが、それ以外の目的に特化させて登場した異色のケミカルです。
アマゾンで販売開始されたのが2010年頃なので比較的新しい製品です。
ほかにもいろいろとありそうですので、見つけ次第追加していきます。
コメント